○十島村自然環境保全条例

昭和49年5月7日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、自然環境の保全に関し基本となる事項を定めるとともに、自然環境の保全を目的とする他の法令(条例を含む。以下同じ。)と相まって、自然環境の適正な保全を総合的に推進し、もって現在及び将来の村民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 自然環境の保全は、自然環境が人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであることにかんがみ広く村民がその恵沢を享受するとともに、将来の村民に自然環境を継承することができるよう適正に行わなければならない。

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第3条 自然環境の保全に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、村土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。

(村の責務)

第4条 村は、国、県の施策と相まって自然環境を適正に保全するための施策を策定し、これを実施する責務を有する。

(村民の理解を深めるための措置)

第5条 村は、教育活動、広報活動を通じ、自然環境の確保の必要性について、村民の理解を深めるよう適切な措置を講じなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、国、県及び村の施策と相まって、当該地域の自然環境が適正に保全されるよう必要な措置を講ずるとともに、国、県及び村が実施する自然環境保全に関する施策に協力しなければならない。

(村民の責務)

第7条 村民は、自然環境が適正に保全されるよう自ら努めるとともに、国、県及び村が実施する自然環境保全に関する施策に協力しなければならない。

(自然環境保全地域の指定)

第8条 村長は、次の各号のいずれかに該当する区域のうち自然的社会的諸条件からみてその区域における自然環境を保全することが、特に必要なものを村自然環境保全地域(以下「保全地域」という。)として指定することができる。

(1) すぐれた天然林が相当部分を占める森林の区域(これと一体となって自然環境を形成している地域を含む。)で規則で定める地域

(2) 地形若しくは地質が特異であり、又は特異な自然現象が生じている土地の区域で規則で定める区域

(3) その区域内に生存する動植物を含む自然環境がすぐれた状態を維持している海岸、湖沼、湿原又は河川の区域で規則で定める区域

(4) 植物の自生地、野生動物の生息地、その他前項各号に定める地域に相当すると思われる地域

2 村長は、前各号に定める地域があらかじめ国、県の法令等(条例を含む。)で指定された地域であるときは環境保全地域の指定から除外するものとする。

3 村長は、保全地域の指定をしようとするときは、議会及び利害関係者の意見をきかなければならない。

4 村長は、保全地域の指定を行ったときは、その旨公告しなければならない。

5 前項の規定により公告があったときは、当該地域の住民及び利害関係人は公告の日から14日以内に意見書の提出をすることができる。

6 村長は、前項の規定による異議がある旨の意見書が提出されたときは、広く意見を徴し再度議会に諮問しなければならない。

7 保全地域の指定は、公告の日から14日を経過した後、その効力を生ずる。

(地域の保全)

第9条 村長は、環境保全地域の区域内に特別区を指定することができる。

2 特別地区内においては、次の各号に掲げる行為は村長の許可がなければしてはならない。

(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築をすること。

(2) 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。

(3) 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。

(4) 水面を埋め立て、又は干拓をすること。

(5) 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

(6) 木、竹を伐採すること。

(7) 植物の採取又は動物の捕獲を行うこと。

3 前項の許可には、当該特別地区における環境の保全のために必要な限度において条件を附することができる。

4 特別地区内において非常災害のために必要な措置として第2項各号に定める行為をした者は、その行為をした日から14日以内に村長にその旨届け出なければならない。

(普通地区)

第10条 保全地域の区域のうち特別区に含まれない区域(以下「普通地区」という。)内において次の各号に掲げる行為をしようとする者はあらかじめ村長に届け出その許可を得なければならない。ただし、他の法令等(条例を含む。)によってあらかじめ許可を得たものについては、この限りでない。

(1) 建築物その他の工作物を新築すること。

(2) 宅地を造成し、土地を開墾すること。

(3) 鉱物を採掘し、又は石を採取すること。

(4) 河川、湖沼を埋め立てること。

(5) 村の所有にかかる竹木の伐採をすること。

(6) 山野に自生する自然木及び植物等を村外に持ち出すこと。

2 非常災害のため必要な措置として行う行為又は保全事業の執行のため行う行為については、前項の行為は適用しない。

3 前項に定める行為を行った者は、その日から14日以内に村長に届け出をしなければならない。

(中止命令等)

第11条 村長は、この条例に違反した者に対して、その行為の中止を命じ、又は相当の期間を定めて原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合は、これにかわる措置をとる旨命ずることができる。

(自然保護取締員の任命)

第12条 村長は、職員のうちから自然保護取締員を任命する。ただし、取締員の職務の範囲は別に規則で定める。

2 村長は、自然保護取締員を補助させるため各島に取締補助員をおくことができる。

(住民への配慮)

第13条 保全地域に関する規定の適用に当たっては、当該地域に係る住民の農林漁業者等の生業の安定及び福祉の向上に配慮しなければならない。

(報告)

第14条 村長は、第9条第2項の許可を受け、又は第3項により条件を附された者、若しくは第10条第1項の許可を受け、又は第11条第1項により必要な措置をとるべき旨命ぜられた者に対し、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

(規則への委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第16条 第9条第2項又は第10条第1項の規定に違反した者は3万円以下の罰金に処する。

2 第9条第3項の規定により許可に付せられた条件に違反した者は2万円以下の罰金に処する。

この条例は、公布の日から施行する。

(平成4年条例第7号)

この条例は、公布の日から施行する。

十島村自然環境保全条例

昭和49年5月7日 条例第24号

(平成4年6月16日施行)