○十島村山海留学制度実施要綱

平成29年3月31日

教委告示第2号

(目的)

第1条 十島村山海留学制度(以下「山海留学制度」という。)は、十島村内の小・中学校に転入学を希望する児童生徒に対し、村内の受入れ家庭(以下「里親」という。)の協力を得て受入れを実施し、十島村の豊かな自然の中で様々な体験活動を通して心身共に健康な児童生徒の育成を図るとともに、村内児童生徒及び転入学児童生徒相互の教育効果の向上を期し、学校の活性化と教育の振興・充実を図ることを目的とする。

(応募基準・決定)

第2条 山海留学制度の応募基準は、以下のとおりとする。

(1) 地域の自然や環境を理解し、就学を希望する健康な児童生徒

(2) 小規模校(少人数学級)での学習を希望し向学心のある児童生徒

(3) 豊かな体験と思い出づくり等により、第2のふるさとを求める児童生徒

(4) 十島村の大自然の中で様々な体験活動を希望する児童生徒

(5) 小学1年生から中学3年生までの児童生徒

2 山海留学生の決定は、原則、「山海留学希望者調書」の先着順とする。ただし、応募児童生徒の健康状態、受入れ学校の状況、里親の確保など総合的に勘案して、十島村教育委員会(以下「教育委員会」という。)と里親が面接のうえ決定する。

(山海留学の期間)

第3条 山海留学の期間は、原則として1年間とする。ただし、継続も認める。

(履行事項)

第4条 決定を受けた山海留学生、保護者(山海留学生に対し親権を行う者。以下「実親等」という。)及び里親は、次の事項を履行しなければならない。

(1) 山海留学生は村内に住民登録すること。

(2) 健康保険証を持参すること。

(3) 山海留学に関する契約書(別記様式)の締結は、十島村山海留学生父母の会(以下「父母の会」という。)の立会いのうえで行うこと。

(4) 寝具等、日常生活に必要な物は、里親と相談し、必要に応じ持参すること。

(山海留学の経費)

第5条 山海留学における委託料及び児童生徒に係る教育費等の経費は、次のとおりとする。

(1) 村から里親への委託料は、月額70,000円とし、毎月の委託料は父母の会会長を通して支給する。ただし、兄弟留学の場合、2人目以降の者については月額76,000円とする。

(2) 実親等から里親への委託料は、小学生が月額23,000円、中学生が月額25,000円とし、毎月里親に直接納入することとする。ただし、兄弟留学の場合、2人目以降の者については月額を6,000円減額する。

(3) PTA会費、学校教材費、医療費、学用品費、衣料費、遊具類費、通信費、旅行費、特別活動費等の費用及びその他留学生にかかわる経費は、実親等が負担しなければならない。

(里親とその義務)

第6条 里親は、山海留学制度を理解し、積極的に賛同及び支援できる健全な家庭であるとともに、実親等とよく連携し、児童生徒を家庭的に養育し、教育の向上に努めるよう努力しなければならない。

(留学希望者等の下見時の旅客運賃等)

第7条 村長は、山海留学を希望する児童生徒(以下「留学希望者」という。)、留学希望者の保護者及び兄弟姉妹が留学希望地区を下見する際、十島村営定期船(以下「村営定期船」という。)の二等旅客運賃及び民宿費用並びにその他交通費について、次の各号に掲げる額を上限に予算の範囲内で助成する。

(1) 二等旅客運賃については、留学希望者は往復運賃の額、留学希望者の保護者及び兄弟姉妹は往復運賃の7割の額とする。

(2) 民宿費用については、追加注文費用を除く標準的な宿泊費の5割の額とする。ただし、下見のために最低限必要な宿泊数を上限とする。

(3) その他交通費については、航空機、鉄道、バス、船舶のみの公共交通機関による交通費(往復分)の7割の額とし、1人当たり5万円を限度とする。ただし、最短経路によるものとし、寄り道経由は対象外とする。

(4) 第1項の留学希望者の保護者及び兄弟姉妹の助成人数については、3人を上限とし、第2項及び第3項の助成人数については、4人を上限とする。

(引越し費用)

第8条 村長は、次の各号に定める規定により、山海留学生が転入及び転出する際の村営定期船に要した引越し費用(貨物運賃)について助成する。

(1) 転入時は、10万円又は村営定期船に要した引越し費用のいずれか少ない額

(2) 1年以上2年未満で転出するときは、7万円又は村営定期船に要した引越し費用に0.7を乗じて算出した額のいずれか少ない額

(3) 2年以上3年未満で転出するときは、8万円又は村営定期船に要した引越し費用に0.8を乗じて算出した額のいずれか少ない額

(4) 3年以上で転出するときは、10万円又は村営定期船に要した引越し費用のいずれか少ない額

(5) 第2号から第4号にかかわらず、里親の都合により転出するときは、10万円又は村営定期船に要した引越し費用のいずれか少ない額

2 前項第2号から第4号までの年数(留学期間)は、学期を通しての在学期間をいう。

(転入時の旅客運賃)

第9条 村長は、山海留学生が転入する際の村営定期船の二等旅客運賃(片道分)を助成する。

(イベント時の旅客運賃等)

第10条 村長は、山海留学生の保護者及び兄弟姉妹が運動会、文化祭、入学式、卒業式のイベントに参加する際、村営定期船の二等旅客運賃及び民宿費用並びにその他交通費について、次の各号に掲げる額を上限に予算の範囲内で助成する。ただし、助成回数は、当該山海留学生1家族につき、同一年度内において2回を上限とし、助成人数は1回につき3人を上限とする。

(1) 二等旅客運賃については、往復運賃の7割の額とする。

(2) 民宿費用については、追加注文費用を除く標準的な宿泊費の5割の額とする。ただし、参加するために最低限必要な宿泊数を上限とする。

(3) その他交通費については、航空機、鉄道、バス、船舶のみの公共交通機関による交通費(往復分)の7割の額とし、1人当たり5万円を限度とする。ただし、最短経路によるものとし、寄り道経由は対象外とする。

(サポート家族委託料等)

第11条 里親がやむを得ず山海留学生を島に残し、一時的に離島するときは、村長は山海留学生1人につき日額2,500円のサポート家族委託料を里親が委託した者(以下「サポート家族受託者」という。)に助成する。

2 前項に定めるサポート家族委託料は、毎年度、最長9日分を上限額とし、それを超える分については、里親が負担するものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

(1) 2親等以内の親戚の冠婚葬祭に出席するとき。

(2) 里親が負傷又は疾病により入院したとき。ただし、入院が長期化するときは、新しく里親を探し、里親が見つかるまでの期間、または契約を解約するまでの期間とする。

(3) 村が出席を依頼した会議、研修に出席するとき。ただし、期間については旅費が支給される期間とする。

(4) その他村長が特に必要と認めるとき。

3 前2項の規定にかかわらず、災害等その他特別事情により山海留学生の移動を制限する必要があると認めるときは、村長は山海留学生1人につき日額2,500円の委託料をサポート家族受託者又は里親に助成することができる。

4 第1項第2項の規定にかかわらず、災害等その他特別事情により里親に自宅待機等の行動を制限する必要があると認めるときは、村長は山海留学生1人につき日額2,500円の委託料をサポート家族受託者に助成することができる。

(助成金の申請)

第12条 第7条第8条及び第9条並びに第10条の助成金の交付を受けようとする実親等は、十島村山海留学助成金交付申請書(様式第1号)に、次に掲げる書類を添えて村長が指定する日までに提出しなければならない。

(1) 第7条に規定する留学希望者等の下見時の旅客運賃等の助成を受けるときは、留学希望者、留学希望者の保護者及び兄弟姉妹が、下見に要した村営定期船の二等旅客運賃(往復分)の支払いを証明する領収書等及び民宿費用の領収書等並びにその他交通費の支払いを証明する領収書等

(2) 第8条に規定する引越し費用の助成を受けるときは、山海留学生が転入及び転出する際に要した村営定期船の引越し費用(貨物運賃)の支払いを証明する領収書等及び転出証明書又は学校長の在学証明書等

(3) 第9条に規定する転入時の旅客運賃の助成を受けるときは、山海留学生が転入する際に要した村営定期船の二等旅客運賃(片道分)の支払いを証明する領収書等

(4) 第10条に規定するイベント時の旅客運賃等の助成を受けるときは、山海留学生の保護者及び兄弟姉妹が、参加に要した村営定期船の二等旅客運賃(往復分)の支払いを証明する領収書等及び民宿費用の領収書等並びにその他交通費の支払いを証明する領収書等

(5) その他、村長が必要と認める書類

2 第11条の助成金の交付を受けようとするサポート家族受託者又は里親は、十島村山海留学サポート家族委託等助成金交付申請書(様式第2号)に、次に掲げる書類を添えて村長が指定する日までに提出しなければならない。

(1) 山海留学サポート家族委託等証明書(様式第3号)

(2) その他、村長が必要と認める書類

(助成金の決定)

第13条 村長は、前条第1項の規定による申請書の提出があったときには、書類を審査のうえ、交付すべきものと認めたときは、交付の決定を行い十島村山海留学助成金交付決定通知書(様式第4号)を実親等に送付するものとする。

2 村長は、前条第2項の規定による申請書の提出があったときには、書類を審査のうえ、交付すべきものと認めたときは、交付の決定を行い十島村山海留学サポート家族委託助成金交付決定通知書(様式第5号)をサポート家族受託者に送付するものとする。

(補助金の請求及び交付)

第14条 実親等及びサポート家族受託者は、助成金の請求をしようとするときは、十島村山海留学(サポート家族委託)助成金請求書(様式第6号)に決定通知書の写しを添えて、村長に提出しなければならない。

2 村長は、前項の規定による請求書の提出があったときは、内容を審査し、適当と認めたときは助成金を交付する。

(事故発生時の処置)

第15条 山海留学生が、病気又は何らかの事故をしたときは、その実情に応じ、里親が適切な処置を行う。

2 里親は、実親等に速やかに事故等の内容を報告し、指示を受けると共に、学校長及び教育委員会に経過を報告するものとする。

(山海留学生の帰省)

第16条 山海留学生は、学校の長期休業又は自身の特別の事情により長期欠席する場合は、帰省するものとする。ただし、滞在しようとするときは、実親等と里親が協議し決定しなければならない。

(契約の解約)

第17条 次の事項に該当する場合は、父母の会の立合いのうえ、実親等と里親が協議して解約することができる。

(1) 児童生徒の問題行動等により、指導監督が困難であると判断されたとき。

(2) 委託料の不納及び契約違反が生じたとき。

(3) 家庭の事情等により、解約希望が生じたとき。

(4) 希望調書及び契約書等に虚偽があるとき。

(その他)

第18条 山海留学生の支援については、十島村山海留学育成会及び各島山海留学育成会(山海留学(制度)支援委員会)が連携して行うものとする。

2 この要綱に定めるものの他、必要な事項は、実親等、里親、教育委員会が協議のうえ、定めるものとする。

(施行期日)

1 この要綱は、公布の日から施行する。

(十島村山海留学補助金交付要綱の廃止)

2 十島村山海留学補助金交付要綱(平成3年要綱第3号)は、平成29年3月31日に廃止する。

(助成対象年度の特例)

3 第8条及び第9条にかかる助成については、当該年度の1学期当初からの転入に備え、前年度の3月中に転入した場合においても当該年度の助成対象とする。

(この要綱の廃止)

4 この要綱は、令和6年8月31日に廃止する。

(平成30年教委告示第1号)

この要綱は、平成30年3月1日から施行する。

(令和2年教委告示第1号)

この要綱は、令和2年4月1日から施行する。

(令和2年教委告示第2号)

この要綱は、公布の日から施行する。

(令和3年教委告示第2号)

この要綱は、令和3年11月25日から施行する。

(令和4年教委告示第2号)

この告示は、令和4年6月1日から施行する。

(令和4年教委告示第3号)

この要綱は、令和5年4月1日から施行する。

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十島村山海留学制度実施要綱

平成29年3月31日 教育委員会告示第2号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第7編 育/第2章 学校教育
沿革情報
平成29年3月31日 教育委員会告示第2号
平成30年3月1日 教育委員会告示第1号
令和2年3月13日 教育委員会告示第1号
令和2年6月3日 教育委員会告示第2号
令和3年11月25日 教育委員会告示第2号
令和4年5月31日 教育委員会告示第2号
令和4年11月7日 教育委員会告示第3号