○十島村黒毛和種優良肉用繁殖雌牛預託事業基金条例施行規則
平成29年4月1日
規則第12号
(目的)
第1条 この規則は、十島村黒毛和種優良肉用繁殖雌牛預託事業基金条例(平成29年条例第3号。以下「条例」という。)に基づき、その目的を達するために必要な事項を定めるものとする。
(事業の内容)
第2条 この規則よる十島村黒毛和種優良肉用繁殖雌牛預託事業(以下「優良肉用繁殖雌牛預託事業」という。)は、村が優良繁殖雌牛(以下「預託牛」という。)を導入し、希望する全ての生産農家に一定期間を定め、預託する事業である。
2 生産農家への預託牛は、1年に1頭を原則とする。
(基金からの取崩し)
第3条 村長は、預託牛の購入価格(家畜市場価格)と購入に要した諸経費(消費税・家畜市場手数料・運搬費等の合計額)を1頭ごとに算定し、基金から取崩すものとする。
2 1頭当たりの取崩し限度額(以下「限度額」という。)は、650,000円以内とする。
(預託対象者)
第4条 預託対象者は、農事組合法人「トカラ畜産組合」の組合員であって、次に掲げる要件を備えるものとする。
(1) 優良肉用繁殖雌牛預託事業の活用により生産母牛の増頭意欲及び適正な飼養計画を有し、継続して飼養することが確実であると見込まれること。
(2) 預託牛の購入価格(家畜市場価格)と購入に要した諸経費(消費税・家畜市場手数料・運搬費等)の合計額から限度額を差し引いた額について、農家からの寄付により支払うことを誓約し、家畜市場購入日から起算して10日以内に納入することを誓約した者
(3) 各島畜産組合の推薦を受けた者
(4) 各村税、村公共料金、村貸付資金等を滞納していない者
2 村長は、必要があると認めるときは、前項に規定するもののほか必要な書類の提出を求めることができる。
2 預託申込者から提出された畜産経営計画書の審査については、地域振興課産業振興室で一次審査を行い、審査委員会にその結果を諮問するものとする。
(預託対象牛)
第7条 預託の対象となる預託牛は、次のとおりとする。
(1) 繁殖の用に供する肉用育成雌牛(生後6ヶ月齢以上12ヶ月齢未満のもの)。ただし、評価・自家保留牛は除き、市場導入牛に限る。
(2) 第16条の規定に基づき返納された預託牛
(預託牛の引渡し)
第9条 預託牛の引渡しは、村長が指定する期日及び場所において行うものとする。
2 預託対象者は、預託牛の引渡しを受けたときは、速やかに預託牛受領証(様式第4号)を村長に提出するものとする。
2 前項の連帯保証人は、次に掲げる要件を備える者でなければならない。
(1) 配偶者又は、独立の生計を営む成年である者
(2) 村税等の滞納のない者
3 優良肉用繁殖雌牛預託事業に係る連帯保証人は、当該事業において、7件を超える保証はできないものとする。
(受託者の義務)
第11条 受託者は、預託期間中の預託牛を適正な環境で村の示す飼養マニュアルにより飼養管理を行わなければならない。
(1) 受託者は、預託牛を村が運用する家畜互助組合に加入させなければならない。
(2) 家畜保健衛生所の指導等により預託牛は伝染病等の予防のための注射等を行うこと。
(3) 預託牛の飼養管理に関する経費を負担すること。
(4) 村長に預託期間中毎年度、飼養頭数及び状況報告書(様式第6号)を年度末に提出すること。
2 受託者は、預託期間を含め10年以内に受託者が飼養する繁殖雌牛から生まれた雌牛の中から、第7条に規定する預託対象牛と同等以上の能力を有する雌牛1頭以上を自家保留すること。
3 受託者は、預託牛について盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があったときは事実の発生の日から20日以内に事故等報告書(様式第7号)により、また、受託者の疾病等の事由により飼養管理を継続できなくなったとき、受託者が農業労働力、経営農用地等の面積の変動により畜産経営計画書に掲げた肉用繁殖雌牛の飼養が困難となったときは、別に定める報告書により、速やかにその状況を村長に報告し、指示を受けなければならない。
4 受託者は、村長の承認を得ないで預託牛を売買・交換、廃用又は殺処分してはならない。
(受託者に対する指導)
第13条 村長は、受託者の畜産経営計画書の達成及び飼養管理技術の向上等のため定期的(毎年度1回以上)に指導を適切に行うものとする。
(預託牛の返還及び移動)
第15条 村長は、預託期間中に次の事態が生じたときは、受託者との契約を解除するとともに、預託牛の返還命令をすることができる。この場合、受託者は、村長の指示に従って預託牛を村に返納しなければならない。
(1) 受託者が、本事業の目的に反した場合又は預託契約に従わない場合であって、村長が受託者に預託牛の飼養管理を継続させることが不適当であると認めたとき。
(2) 受託者が疾病にかかった場合等であって、村長が受託者に預託牛の飼養管理を継続させることが困難であると認めたとき。
(3) 受託者が畜産経営計画書の飼養計画の達成を著しく怠っていると認めたとき。
(4) 受託者が、島を離れ、飼養管理を継続することが困難となったことを認めたとき。
2 前項にかかわらず、特に村長が認める場合はその限りとしない。
(損害賠償)
第16条 預託期間中、預託牛に盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があった場合において、当該事故が受託者の責めに帰すべき事由によると認められるときは、受託者はその損害を賠償しなければならない。ただし、繁殖能力のない無産家畜については、第17条の規定により廃用処分できるものとする。
(1) 無産で死亡した場合は、負担なしとする。ただし、第11条の規定を遵守されなかった場合は、預託牛購入額の村負担分とする。
(2) 1産して死亡した場合は、預託牛購入額の村負担分の4分の1を負担する。
(3) 2産して死亡した場合は、預託牛購入額の村負担分の3分の1を負担する。
(4) 3産して死亡した場合は、預託牛購入額の村負担分の2分の1を負担する。
(廃用処分)
第17条 村長は、預託牛が預託期間中に疾病その他重大な事故及び繁殖能力が著しく劣った場合等が生じた場合は獣医師又は鹿児島県家畜保健衛生所等の認定(獣医師の診断書)に基づき廃用処分をすることができる。
2 村長は、廃用処分の原因が受託者の故意又は重大な過失を除き、廃用処分額が預託牛購入額(諸経費を含む。)を超過した場合は、第4条第1項第2号の規定により算出された額を含め、剰余金を受託者に交付することができる。
(委員の選任)
第18条 村長は、第5条に定める預託の決定を行うに当って、村長が任命する委員により委員会を構成し、預託対象者の適否認定の諮問をすることができる。
附則
(施行期日及び廃止期日)
1 この規則は、平成29年4月1日から施行し、条例廃止後の10年後の年度末に廃止する。
(子牛価格安定地域対策トカラブランド基金の設置及び管理に関する条例施行規則の廃止)
2 子牛価格安定地域対策トカラブランド基金の設置及び管理に関する条例施行規則(平成14年規則第3号)は平成29年3月31日に廃止する。
(預託牛の取扱い)
3 優良肉用繁殖雌牛預託事業で受託した預託牛については、生産農家の飼養頭数に含めるが、十島村肉用繁殖牛導入及び増頭奨励金交付事業の対象牛としない。
附則(令和4年規則第11号)
この規則は、令和4年6月1日から施行する。
別記(第6条関係)
預託対象者選定基準
優良肉用繁殖雌牛預託事業の預託対象者の選定は、預託申込者の畜産経営計画書を、次の事項を基準として審査のうえ、行うものとする。
1 農業労働力
(1) 預託対象者は、十島村黒毛和種優良肉用繁殖雌牛預託事業実施要綱第3条の要件を満たす者であること。
2 経営農用地等面積
(1) 飼料作物、野草、未利用資源の積極的な活用が図られるものであること。
3 飼養計画
(1) 預託対象者の預託頭数は預託対象者の飼養技術、労働力、飼養基盤等を勘案し、合理的な飼養が可能な頭数であること。ただし、肉用牛生産振興上特に必要と認める場合はこの限りでない。