○十島村畜産振興繁殖雌牛預託事業実施要綱
令和3年4月1日
告示第21号
(目的)
第1条 この要綱は、村の畜産業の振興を図るため、村が導入する優良繁殖雌牛(以下「預託牛」という。)を生産農家に預託することにより、畜産農家の増頭又は肉用牛改良を目指すとともに、新規就農者の育成を目的とする。
(預託対象者)
第2条 預託対象者は、次に掲げる要件を備えている者でなければならない。
(1) 村が認める畜産組合に加入していること。
(2) 生産母牛を増頭する意欲及び適正な飼養計画を有する新規就農者又は生産農家で、飼養頭数の維持又は拡大を図る者であること。
(3) 預託牛を適正に飼養することが確実であると見込まれる者であること。
(4) 預託牛の購入価格(家畜市場価格)と購入に要した諸経費(消費税・家畜市場手数料・運搬費等)の合計額から限度額を差し引いた額を、家畜市場購入日から起算して10日以内に寄付により支払うことができる者であること。
(5) 村税、村公共料金、村貸付資金等を滞納していない者であること。
(6) 預託牛を廃用又は廃業若しくは離農したときに規定する額を返済することができる者であること。
(7) 前号までのほか、この要綱に定められた規定を遵守できる者であること。
2 前項第2号に定める新規就農者は、村内に住所を有し、新規に畜産業に携わる者(以下「新規就農者」という。)で、かつ次に掲げる要件を備えている者でなければならない。
(1) 島内に実父母が畜産業を営んでいない者
(2) 村が認める畜産組合の推薦を受けた者
(3) 村が定める飼養計画を履行する意思がある者
(4) 前号の飼養計画に基づく増頭数は、年間4頭、4年間で16頭を超えることはできない。
(預託の内容)
第3条 預託牛は、前条で定める預託対象者に一定の期間を定めて預託することができる。
(1) 預託頭数は、1年につき18頭以内とする。
(2) 預託牛は、1年につき1生産農家に対して原則1頭以内とする。ただし、村が定める農家一戸当たりの飼養規模を目指す生産農家、又は繁殖雌牛の改良を行う生産農家に対しては、前号に定める頭数の範囲内で規定数を超えて預託することができる。
(3) 預託牛の導入費用の一部は、十島村肉用牛特別導入型基金(1頭330,000円)から充当するものとする。
(4) 前項により十島村肉用牛特別導入型基金を充当した預託牛を受託した生産農家は、貸付期間満了後、規定の額を納入しなければならない。
(5) 村長は、預託期間満了後、生産農家が負担した前項に定める規定の額の2分の1の額を上限に補助金として交付することができる。
(対象事業及び預託対象者の種別等)
第4条 対象事業及び預託対象者の種別等については別記のとおりとする。
(預託対象牛)
第7条 預託の対象となる預託牛は、次のとおりとする。
(1) 繁殖の用に供する肉用育成雌牛(生後8ヶ月齢以上12ヶ月齢未満のもの)。ただし、評価・自家保留牛は除き、市場導入牛に限る。
(2) 第15条の規定に基づき返納された預託牛
(預託牛の引渡し)
第9条 預託牛の引渡しは、村長が指定する期日及び場所において行うものとする。
2 預託対象者は、預託牛の引渡しを受けたときは、速やかに預託牛受領証(様式第5号)を村長に提出するものとする。
2 前項の連帯保証人は、次に掲げる要件を備える者でなければならない。
(1) 配偶者又は、独立の生計を営む成年である者
(2) 村税等の滞納のない者
(受託者の義務)
第11条 受託者は、次の要件で適切な飼養管理を行わなければならない。
(1) 預託牛は、家畜共済に加入させなければならない。
(2) 預託牛の飼養管理に関する経費を負担しなければならない。
(3) 村長に預託期間中に毎年度、飼養頭数報告書(様式第7号)を年度末に提出しなければならない。
2 受託者は、預託牛について盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があったときは事実の発生の日から20日以内に事故等報告書(様式第8号)により、その状況を村長に報告しなければならない。
3 受託者の疾病等の事由により飼養管理を継続できなくなったとき、受託者が農業労働力、経営農用地等の面積の変動により畜産経営計画書に掲げた肉用繁殖雌牛の飼養が困難となったときは、別に定める報告書により、20日以内にその状況を村長に報告し、指示を受けなければならない。
4 受託者は、村長の承認を得ず預託牛を売買・交換、廃用又は殺処分してはならない。
(受託者に対する指導)
第13条 村長は、受託者の畜産経営計画書の達成及び飼養管理技術の向上等のため定期的(毎年度1回以上)に指導を適切に行うものとする。
(預託牛の返還及び移動)
第15条 村長は、預託期間中に次の事態が生じたときは、受託者との契約を解除するとともに、預託牛の返還を命ずることができる。この場合、受託者は、村長の指示に従って預託牛を村に返還しなければならない。
(1) 受託者が、本事業の目的に反した場合又は預託契約に従わない場合であって、村長が受託者に預託牛の飼養管理を継続させることが不適当であると認めたとき。
(2) 受託者が疾病にかかった場合等であって、村長が受託者に預託牛の飼養管理を継続させることが困難であると認めたとき。
(3) 受託者が畜産経営計画書の飼養計画の達成を著しく怠っていると認めたとき。
(4) 受託者が、村を転出する場合であって、飼養管理を継続することが困難であると認めたとき。
2 前項にかかわらず、特に村長が認める場合はこの限りではない。
(廃用処分)
第16条 村長は、預託牛が預託期間中に疾病その他重大な事故及び繁殖能力が著しく劣った状態が確認されたときは、獣医師又は鹿児島県家畜保健衛生所等の認定(獣医師の診断書)に基づき廃用処分をすることができる。
2 村長は、廃用処分の原因が受託者の故意又は重大な過失が認められる場合は、その損害について、受託者に賠償を求めることとする。
3 村長は、廃用処分の原因が受託者の故意又は重大な過失を除き、廃用処分額が預託牛購入額(諸経費を含む。)を超過した場合は、算出された額を含め、剰余金を受託者に交付することができる。
(1) 貸付牛返還の領収書
(2) その他村長が必要と認める書類
2 補助交付金額は、165,000円以内とする。
(補助金交付決定の取消又は補助金の返還)
第20条 村長は、補助金申請者が事業の執行に際し不正を行い、又は嘘偽の申請その他この要綱に違反したと認めたときは、補助金の決定を取消し、又はすでに交付した補助金の全部若しくは、一部の返還を命ずることができる。
附則
1 この要綱は、令和3年4月1日から施行する。
2 この要綱は、令和18年3月31日に廃止する。
別記(第4条関係)
預託対象者選定基準
十島村畜産振興繁殖雌牛預託事業の預託対象者の選定は、預託申込者の畜産経営計画書を、次の事項を基準として審査のうえ、行うものとする。
1 農業労働力
2 経営農用地等面積
飼料作物、未利用資源の積極的な活用が図られるものであること。
3 飼養計画
預託対象者の預託頭数は預託対象者の飼養技術、労働力、飼養基盤等を勘案し、合理的な飼養が可能な頭数であること。ただし、肉用牛生産振興上特に必要と認める場合はこの限りでない。
1 対象事業 | 増頭対策事業 | 増頭及び改良対策事業 |
2 対象者の種別 | 新規就農者 | 新規就農者以外 |
3 対象者の定義 | (1) 村内に住所を有し、初めて畜産業に携わる者で、島内に親族等が居ない者。 (2) 村内各島の畜産組合の推薦を受けた者。 | (1) 16頭以上の繁殖雌牛を飼養しようとする農家。 (2) 母牛の改良をしようとする農家。 |
4 導入費用 | 上限900,000円 | 上限900,000円 |
5 導入時農家負担 | 900,000円を超えた費用 | 900,000円を超えた費用 |
6 償還時農家負担 | 無し | 5年後:165,000円 |
7 返済義務 | ①廃用:570,000円以内(セリ価格) ②廃業・離農:導入牛を返納又は全額(90万円)返済 | ①廃用:570,000円以内(セリ価格) ②廃業・離農:導入牛を返納又は村負担額(57万円)返済 |
8 貸付期間 | 導入後5年間 | 導入後5年間 |