○十島村優良繁殖雌牛導入基金条例施行規則
平成18年10月17日
規則第27号
(趣旨)
第1条 この規則は、十島村優良繁殖雌牛導入基金条例(平成18年条例第31号。以下「条例」という。)に基づき、優良繁殖雌牛導入の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
(事業内容)
第2条 この事業は、十島村が肉用繁殖雌牛を計画的に購入し、肉用繁殖雌牛の貸し付けを受けようとする者で増頭意欲を有する農業者及び新規就農者並びに畜産後継者(以下「導入対象者」という。)に一定期間貸付後、その者に譲渡する事業とする。
(導入対象者)
第3条 この事業の導入対象者は、十島村に住所を有する者で肉用繁殖雌牛の飼養計画を有し、肉用繁殖雌牛を継続して飼養することが確実な者及び新規就農者並びに畜産後継者とする。ただし、導入対象者の年齢は70歳未満であること。
(導入対象家畜)
第6条 この事業で貸付の対象となる肉用繁殖雌牛(以下「導入家畜」という。)は、次のとおりとする。
(1) 繁殖の用に供する肉用育成雌牛(生後6ヶ月齢以上30ヶ月齢未満のもの)
(2) 第19条の規定に基づき返納された肉用繁殖雌牛
2 導入対象者の生産に係る家畜は、一定の基準(父牛の直接検定1日増体量が1.2kg以上又は父牛の間検が1日増体量0.8kg以上)に合致する肉用育成雌牛に限り、当該家畜を生産した導入対象者に貸し付けることができるものとする。
(導入家畜の購入)
第8条 村長は、次の方法により導入家畜を購入するものとする。
(1) 家畜市場から購入するものとする。ただし、自ら購入することが困難である場合は、他の機関に委託して購入することができるものとする。
(2) 肉用子牛生産農家からの直接購入する場合は、家畜評価委員会を開催し、家畜市場価格等を勘案の上、家畜の適正な評価を行い購入するものとする。
(導入家畜の引渡し)
第9条 導入家畜の引渡しは、村長が指定する期日及び場所において行うものとする。
2 借受者は、導入家畜の引渡しを受けたときは、速やかに肉用雌牛受領証(様式第4号)を村長に提出するものとする。
(基金からの取り崩し)
第10条 村長は、導入家畜の購入額(家畜購入費と購入に要した諸経費の合計額)を1頭ごとに計算し、基金の一部を取り崩すものとする。
2 前項に規定する1頭当たりの取崩し限度額は、600,000円とする。ただし、育成牛・妊娠牛を導入した場合は、12ヵ月以上の牛舎内飼養を義務付けることとする。
(貸付契約の締結)
第11条 村長は、原則として導入家畜を導入対象者に引渡した時点で導入対象者との間で肉用繁殖雌牛貸付契約書(様式第5号)により契約を締結するものとする。
2 村長は、貸付契約書の締結に当たって、導入対象者は1人の連帯保証人を設定しなければならない。
(導入対象者の義務)
第12条 導入対象者は、貸付期間中、次の事項を遵守するものとする。
(1) 善良な管理者の注意をもって飼養管理に当たること。
(2) 家畜保健衛生所の指導等により導入家畜は伝染病等の予防のための注射等を行うこと。
(3) 導入家畜の飼養管理費を負担すること。
(4) 村長に貸付期間中毎年度、飼養頭数報告書(様式第6号)を年度末に提出すること。
(5) 畜産経営計画書の飼養計画の達成に努めること。
ア 導入家畜につき、盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があったとき。
イ 導入対象者が疾病にかかる等飼養管理を継続することが不可能となったとき。
ウ 導入対象者が、農業労働力、経営農用地等の面積の変動により畜産経営計画書に掲げた肉用繁殖牛の飼養が困難となったとき。
(7) 育成牛・妊娠牛を導入した場合は、12ヵ月以上の牛舎内飼養を義務付けることとする。
(導入家畜の管理)
第13条 村長は、導入家畜管理台帳(様式第8号)を備え、導入家畜に関する記録を整備するものとする。
(導入対象者の家畜飼養状況の把握)
第14条 村長は、導入対象者台帳(様式第9号)を備え、導入対象者からの報告等により貸付期間中毎年度末時点の導入対象者の家畜飼養状況を把握しておくものとする。
(導入対象者に対する指導)
第15条 村長は、導入対象者の畜産経営計画書の達成及び飼養管理技術の向上等のため定期的(毎年度1回以上)に指導を適切に行うものとする。
2 村長は、前項の指導を行うため推進指導委員会を設けるものとする。
(導入家畜の譲渡価格)
第17条 導入家畜の譲渡価格は、導入家畜の購入価格(家畜市場価格)と購入に要した諸経費(家畜市場手数料)の合計額とする。
(導入家畜の返還)
第19条 村長は、貸付期間中に次の事態が生じたときは、導入対象者との契約を解除するとともに導入対象者に貸付けている導入家畜の返還命令をすることができる。この場合、導入対象者は、村長の指示に従って導入家畜を村に返納しなければならない。
(1) 導入対象者が、本事業の目的に反した場合又は貸付契約に従わない場合であって、村長が導入対象者に導入家畜の飼養管理を継続させることが不適当であると認めたとき。
(2) 導入対象者が疾病にかかった場合等であって、村長が導入対象者に導入家畜の飼養管理を継続させることが困難であると認めたとき。
(3) 導入対象者が畜産経営計画書の飼養計画の達成を著しく怠っていると認めたとき。
(4) 村長は、前号の事由により、返納された牛の評価価格が貸付価格を下回る場合は、その差額を導入対象者に請求することができるものとする。
(損害賠償)
第20条 貸付期間中に導入家畜につき盗難、失そう、疾病、死亡その他重大な事故があった場合において、当該事故が導入対象者の責めに帰すべき事由によると認め、導入対象者はその損害を賠償しなければならない。ただし、繁殖能力のない無産導入家畜については別途定める。
(事故牛の償還)
第21条 貸付期間中に導入家畜が死亡した場合には、死亡原因が導入対象者の故意又は重大な過失になる場合を除き、獣医師又は鹿児島県家畜保健衛生所等の認定に基づき、産子数に応じて、貸付額を村に返納するものとし、貸付額の返納については次の各号のとおりとする。
(1) 無産で死亡した場合は、負担なしとする。ただし、第12条第1項第7号の規定を遵守されなかった場合は、全額有責とする。
(2) 1産して死亡した場合は、貸付額の4分の1を負担する。
(3) 2産して死亡した場合は、貸付額の3分の1を負担する。
(4) 3産以上して死亡した場合は、貸付額の2分の1を負担する。
(廃用処分)
第22条 村長は、導入家畜が貸付期間中に疾病その他重大な事故及び繁殖能力が著しく劣った場合等が生じた場合は獣医師又は鹿児島県家畜保健衛生所等の認定(獣医師の診断書)に基づき廃用処分をすることができる。
2 村長は、廃用処分の原因が導入対象者の故意又は重大な過失による場合を除き、廃用処分額から第17条の規定により算出された額を差し引いて得た過不足額に剰余金があるときはこれを導入対象者に交付することができる。
(事業実績報告)
第23条 村長は、肉用繁殖雌牛の導入を実施した年度末に当該年度の年度事業実績報告書(基金取崩状況報告を含む。)(様式第12号)を作成するものとする。
(基金)
第24条 この事業実施により生ずる次の財産は基金に属するものとする。
(1) 第18条第1項の規定による導入家畜の譲渡対価
(2) 第19条の規定による返納肉用牛
(3) 第21条の規定による導入家畜の処分収入
(4) 基金の運用により生ずる収益
(委員の選任)
第25条 村長は、第5条に定める貸付の決定を行うに当って、村長が任命する委員により委員会を構成し、導入対象者の適否認定の諮問をすることができる。
(その他)
第26条 この規定に定めるもののほか、導入事業の実施に必要な事項は、国が定めた畜産再編総合対策事業実施要領及び関係通達に即し村長が別に定めるものとする。
附則
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成24年規則第3号)
1 この規則は、公布日から施行する。
(遡及適用)
2 この規則に関する改正後の十島村優良繁殖雌牛導入基金条例規則第21条の規定は、平成23年1月1日以降から適用する。
附則(平成24年規則第5号)
この規則は、公布日から施行する。
附則(平成25年規則第16号)
(施行期日)
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
附則(令和4年規則第11号)
この規則は、令和4年6月1日から施行する。
別記1(第5条関係)
十島村優良繁殖雌牛導入事業貸付対象者選定基準
十島村優良繁殖雌牛導入事業の貸付対象者の選定は、貸付申請者の畜産経営計画書を、次の事項を基準として審査の上、行うものとする。
1 農業労働力
(1) 貸付対象者は、十島村優良繁殖雌牛導入基金条例施行規則第3条の要件を満たす者であること。
(2) 新規貸付希望者は、肉用牛の飼養管理技術からみて、今後継続的に肉用牛の飼養が可能な者であること。
2 経営農用地等面積
(1) 飼料作物、野草、未利用資源の積極的な活用が図られるものであること。
(2) 事業実施地域内に公共牧場が設置されているため、農事組合法人トカラ畜産組合員であること。
3 飼養計画
(1) 肉用繁殖雌牛の飼養計画頭数は、導入前(申請時)と比較して維持又は拡大が図られているものであること。
(2) 貸付対象者の導入頭数は貸付対象者の飼養技術、労働力、飼養基盤等を勘案し、合理的な飼養が可能な頭数であること。ただし、肉用牛生産振興上特に必要と認める場合は、この限りでない。